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路線価の上昇は出資持分にも影響する?

路線価の上昇は出資持分にも影響する?

今年も7月1日に国税庁から路線価が公表されました。ニュースでは、「全国平均で上昇」「都市部を中心に地価の上昇が続いている」といった話題が取り上げられています。

路線価の上昇というと、「自宅や事業用の土地の評価が上がって相続税が増えるかもしれない」と考える方が多いでしょう。しかし、開業医の先生の場合は、それだけではありません。

持分のある医療法人が土地を所有している場合は、土地の評価額の上昇が出資持分の評価額にも影響することがあります。その結果、相続や事業承継の負担が大きくなる可能性もあります。

今回は、路線価の上昇と医療法人の出資持分評価との関係について、開業医の先生向けにわかりやすく解説します。

路線価の上昇は土地だけの問題ではありません

路線価は、相続税や贈与税の土地評価の基準となる価格です。
近年は都市部を中心に地価の上昇が続いており、それに伴って相続税評価額も高くなるケースが増えています。

そのため、自宅や賃貸不動産などを所有している方は、「相続税が増えるかもしれない」と考える機会が多くなりました。

しかし、開業医の先生の場合は、個人で所有する土地だけでなく、医療法人が所有する土地にも目を向ける必要があります。特に、医療法人名義で土地を所有している場合には、その資産価値の変動が事業承継にも影響することがあるためです。

出資持分の評価にも影響があります

持分のある医療法人では、出資持分の評価は法人の財産状況を基に計算されます。
そのため、医療法人が所有する土地の評価額が上昇すると、法人全体の純資産価額が増加し、その結果として出資持分の評価額が高くなることがあります。

もちろん、出資持分の評価は土地だけで決まるものではありません。
出資持分は、類似業種比準価額方式と純資産価額方式を組み合わせて評価されるため、**現預金や有価証券、建物、土地、借入金など、法人全体の資産や負債の状況も評価額に反映されます。

それでも、土地の占める割合が大きい医療法人では、路線価の上昇が出資持分評価に与える影響は決して小さくありません。「土地が値上がりした」という出来事が、思わぬ形で事業承継に影響を及ぼすこともあるのです。

相続や事業承継の負担が大きくなる可能性も

出資持分の評価額が上昇すると、将来の相続や事業承継に必要となる負担も変わってきます。例えば、後継者となる相続人が出資持分を承継する際には、出資持分の相続税評価額が高くなり、税負担が増える可能性があります。

また、将来の承継方法を検討する際にも、「以前試算した時より評価額が上がっていた」というケースは珍しくありません。

相続対策は一度行えば終わりではなく、土地価格や法人の財務内容の変化によって、適切な対策も変わっていきます。「数年前に試算したから安心」と考えるのではなく、現在の状況を踏まえて定期的に見直すことが大切です。

地価が上がっている今こそ確認したいこと

地価の上昇そのものを止めることはできません。
しかし、その影響を早めに把握し、将来に備えることはできます。

例えば、
・現在の出資持分評価はいくらなのか
・以前試算した評価額からどの程度変わっているのか
・承継時の税負担はどのくらいになる見込みなのか
・遺産分割を円滑に進められる準備ができているのか
・今の対策で十分なのか

こうした点を確認するだけでも、将来の選択肢は大きく変わります。

事業承継は、何か問題が起きてから考えるものではありません。
状況が変化している今だからこそ、現状を把握し、必要に応じて対策を見直すことが重要です。

まとめ

路線価の上昇は、土地の相続税評価額だけの問題ではありません。
持分ありの医療法人では、土地の評価額の上昇が出資持分評価に影響し、相続や事業承継の際に負担が変わる可能性があります。

もちろん、出資持分評価は土地だけで決まるものではありませんが、土地の占める割合が大きい医療法人では無視できない要素です。「以前試算したから大丈夫」と思っていても、その後の地価上昇によって状況が変わっていることもあります。

事業承継で最も大切なのは、問題が起きてから慌てることではなく、現在の状況を正しく把握し、早めに準備を進めることです。路線価が公表されたこの機会に、一度、医療法人の出資持分評価について確認してみてはいかがでしょうか。

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